建設業界ガイドブック
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 タイル張りは建築の中で最後の仕上げです。自分が仕上げたものが残ります。都市を彩る一つひとつの作品を残してゆく。またそれは、そこへ行けばいつも、「自分がやっ■1・2級タイル張り技能士 中央職業能力開発協会 TEL 03-6758-2859■登録タイル張り基幹技能者 (一社)日本タイル煉瓦工事工業会 TEL 03-3260-9023関係団体(一社)日本タイル煉瓦工事工業会http://www.nittaren.or.jp/ TEL 03-3260-9023有機系接着剤張りで安心・安全なタイル張り タイルはしっかりと接着されて、初めて美観や性能上の効果があり、剥離・剥落のない施工を行うことが最も重要です。近年、住宅の外壁に接着剤張りが使用されるようになり剥離・ひび割れの不具合が少ないことから外壁への使用の普及が進んでいます。弾性接着剤の長所は主に次のとおりです。①接着剤層で下地の動きや温度変化による発生応力を緩和でき、剥離が発生しにくい。②接着剤層に弾性があるため、ひび割れが発生しにくい。③接着剤が水を通さないため白華汚れが発生しにくい。④空目地施工が可能で、意匠の自由度が向上する。たんだ」と言える建物や空間が残っています。自分たちが都市を彩っている、そこに素晴らしい、やりがいが生まれます。 タイル張り技能者には、国による技能士検定制度が設けられていて、1級、2級の資格を取得できます。資格制度が整い、世間一般的にも技術力が認知されるようになり、多くの若者が資格を取得し、スキルアップを図っています。 近年、作業場の環境もよくなり男女を問わず働ける職場になっています。きめ細かな作業を得意とする女性も現場で活躍しています。コツコツと真面目に仕事に取り組める方なら、誰でもこの業界で力を発揮できるでしょう。関連する免許・資格など タイル張り工事業は、建物の外壁、床、浴室などの内装、住宅、店舗、歩道、駅のプラットホームといった様々な場所にタイルという優れた仕上げ材を張ることで、建物を美しく仕上げ、建物を保護し、耐久性を高める大切な職業です。 タイル張りの工程を大きく3つに分けて説明します。まず一つ目は、基準となる水平、垂直の墨を出し、図面に基づいてタイル割り付けをして、基準の糸を張ります。次に下地に接着剤(モルタル等)を平滑に塗付けてタイルを張ります。この時、糸を基準にタイルを一直線に、一枚一枚あるいはシート化された複数になったものを水平、垂直に合わせて張りつめていきます。精密な作業で正確性と器用さが求められます。横目地を一定の間隔にするには高度な技術を要し、まさにカンとコツを生かした技といえるでしょう。最後に化粧目地仕上げです。目地用のセメントをタイルとタイルの隙間に埋めて、目地をきれいに仕上げて完成です。様々な形状や凹凸のある意匠性の高いタイルのタイル張りは、芸術的な感性も必要な要素となります。 タイルの普及は江戸末期~明治にかけて西洋文化の流入とともに洋館がつくられるようになってからです。大正末期には銭湯や住宅の流しなどに内装タイルが使われ始め、外装タイルは、関東大震災以降レンガ造りに変わって、鉄筋コンクリート造が多くなるとともに普及し、壁面の仕上げにタイルが使われることが多くなってきました。こうした背景からレンガ積み職人を前身にタイル張り職人という職業が確立していきました。 色合い豊かなタイルで美しい空間、快適な環境をつくり出していく仕上げ職人、それがタイル張り技能士です。39どんな仕事?仕事のやりがい18 タイル・れんが・ブロック工事業色合い豊かなタイルで美しい空間、快適な環境をつくり出していく

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